第171回
【明日から使えるベテランPTの
ワンポイントテクニック】

 

 

さて、前回は「正常」を求めることの
危うさについてお伝えしました。

 

 

正常というものを追い求めると,
正常な動作は獲得できるかも
しれませんが、それ以上でも
それ以下でも無いということです。

 

 

「正しい動作ができるようになる」
という目的が達成されるわけです。

 

 

では、あなたが患者さんにセラピーを
提供する目的はなんでしょうか?

 

 

「正常動作の獲得」
ではありませんよね?

 

 

「退院までに歩行を獲得する」
「ADLを自立する」

 

 

でもありません。

 

 

私たちの目的は、
患者さんの願望に寄り添い、
人生のサポートをすることです。

 

 

中心は「患者さん」です。

 

 

私たちの提供するセラピーは、
患者さんの願望、目的を達成する
ための手段に過ぎません。

 

 

理学療法、作業療法、
言語聴覚療法は「手段」です。

 

 

私たちはえてして、
「リハビリを提供する」
こと自体が目的になりがち。

 

 

それが患者さんの願望、
目的とのズレを産み、
円滑なリハビリテーションを
妨げます。

 

 

私の失敗例を一つ。

 

 

Aさんは心疾患後の廃用で
リハ開始となりました。

 

 

病前より
体重超過で車椅子生活でしたが、
麻痺などはなく、

 

 

ご高齢でしたがトレーニングしだいで
歩行を再獲得できそうな
潜在性を持ち合わせていました。

 

 

介護で疲れていた家族のためにも、
「歩行の再獲得」を目標に
プログラムを開始。

 

 

サークルで100mほど歩けるようになり、
平行棒→杖歩行とステップアップ
していこうとした矢先、体調不良に。

 

 

しばらく安静が続き、
運動レベルが下がったので、
また歩行獲得に向けて
歩行練習を再開。

 

 

サークルでまた歩けるように
なってきた頃に、
またもや体調不良→レベル低下

 

 

これを3回ほど繰り返しました。

 

 

ただ、毎回なぜか体調不良に陥る
タイミングが、

 

 

「もう少し頑張ったら、
伝い歩きで自宅内なら移動できそう」

 

 

というようなタイミング。

 

 

この時点で既に
1年近いお付き合いで、

 

 

旦那さんからも
日常の愚痴を聞かされるぐらいの
親密度合い。

 

 

十分すぎるぐらい
コミニュケーションが
取れているつもりでした。

 

 

Aさんのリハ目標は
「歩行獲得」のはず・・・。

 

 

しかし、どうしても体調不良になる
タイミングが気になったので、
改めてAさんに聞きました。

 

 

「お家に帰ったらどんな生活を
したいですか?」

 

 

帰ってきた答えは、

 

 

「前のように、ソファーに寝転んで、
好きな物食べて、お父さんに面倒を
見てもらいたい」

 

 

という予想外の回答。

 

 

ずっと「歩けるようになること」が、
Aさんと、その家族の
幸せに繋がると思い込んで
歩行練習をしていました。

 

 

でも、それは患者さんが望んだ
生活ではなっかったんです。

 

 

だから、歩行に目処が立ちそうな
タイミングで体調不良になることを
選択していたんです。

 

 

今思えば、歩行能力が高くなるにつれ、
患者さんの笑顔が少なくなっていた
ような気がします。

 

 

患者さんの想いと、
セラピストの行動がすれ違い、
なんの実りもないまま、
時間だけが過ぎていました。

 

 

もし、もっと早い段階で、
患者さんの想いに
気がついていたら、

 

 

別な形での自宅退院案を
提供できたはず。

 

 

旦那さんの介助量を減らしながら、
かつ、
本人の望む生活に近ずける、

 

 

お互いにとって
良い提案ができたかもしれない
という後悔があります。

 

 

職業人として、
機能を高めることに
フォーカスするのではなく、

 

 

一人の人間として
出会った患者さんの人生に寄り添い、
サポートする。

 

 

その手段がリハビリテーションであり、
私たちの存在意義だと思います。

 

 

あなたの関わりは、
患者さんの願望に沿っていますか?

 

 

改めて考えたり、
患者さんに聞いてみましょう。

 

 

ゴールの再確認を頻繁にすることが、
想いと行動のズレを減らすのかもしれません。

 

 

今日はここまで。

 

 

最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

 

 

IAIR北海道地区 認定シニアインストラクター
理学療法士 中嶋 光秀

—————————————-
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定 員:30名
申し込み&詳細はこちら↓
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