第169回
【明日から使えるベテランPTの
ワンポイントテクニック】

 

 

前回のコラムの最後に
踵補高のことについて
簡単に書いたのですが、

 

 

踵補高の注意点について
改めて
書いてみようと思います。

 

 

前回はパーキンソン病の方を
対象に書きましたが、定番は
やはり脳卒中の装具療法。

 

 

旧来の装具療法でPOが処方する
補高と、セラピストが考える補高は
ちょっと違います。

 

 

POが処方する補高は、
読んで字のごとく、

 

 

「高さを補う」

 

 

ことがメインとなります。

 

 

背景には
昔は脳出血の方が多く、
痙性麻痺全盛。

 

 

マンウェルニッケ肢位で
踵接地が困難。

 

 

内反底屈位になる足関節を

 

 

「矯正」

 

 

するためにSLB、SHBが必要でした。

 

 

しかし、ストラップ等でも
底屈位を矯正できず、
踵が接地できないと、

 

 

そもそも立位が安定しないので、
その隙間を埋めるために
補高をしていました。

 

 

目的は「隙間を埋める」ことと、
「接地面を増やす」こと。

 

 

静的場面の安定を
求めているので
歩行のためではありません。

 

 

ここ20年ぐらいは
脳卒中が増え、
弛緩性麻痺が増えています。

 

 

装具療法でも歩行分析が
欠かせなくなり、

 

 

「HCを作る」こと、

 

 

「HC〜LRでの下腿の前傾を促す」

 

 

ために補高をすることもあります。

 

 
ただこの踵補高、
安易に使うには
気をつける点があります。

 

 

考えて欲しいのは、
踵補高をすると歩行中、
どんな感じがするのか?

 

 

ということ。

 

 

ハイヒールを履く女性は
よくわかると思いますが、

 

 

「単純に歩きにくい」

 

 

と感じるはず。

 

 

ハイヒールを履いて
「正常歩行」を
しようと思ったら無理ですよね?

 

 

静止立位の時点で
既につま先立ち。
下腿三頭筋は緊張しっぱなし。

 

 

踵から歩こうと踵接地すると、
カクンと膝折れして
途端につま先接地になるので、

 

 

極力全足底接地を目指して
足をつきます。

 

 

MSで既につま先荷重なので
それ以上前に回転しないように
大腿四頭筋と下腿三頭筋で
ブレーキをかけます。

 

 

ヒールでの歩き方に慣れてない方が、
「ヒール履くと疲れる」
のはこのせいです。

 

 

立脚の度にブレーキをかけるので
足がパンパンになるんです。

 

 

つまり、不用意に踵補高をすると、
大腿四頭筋と下腿三頭筋の過緊張を
助長することにつながります。

 

 
特に高すぎる補高は危険です。

 

 

安易にセンチ単位で
見た目の補高をすると、
歩行機能を破錠させます。

 

 

セラピストが補高を処方するときは
踵に荷重ができる
最低限の高さであるかどうか。

 

 

踵荷重ができることで、
下腿三頭筋の緊張が抜けて、
下腿の前傾をスムーズに
しやすくなります。

 

 

この辺は歩行観察をしながらの
さじ加減になりますが、
一つの目安としては補高をした後に、

 

 

「立位時の下腿三頭筋の緊張が
減っているかどうか?」

 

 

を触診で確認するだけでも、
いいかと思います。

 

 

踵に荷重できないと、
下腿三頭筋の緊張を抜けないので

 

 

重心を前方に倒すきっかけが作れず、
麻痺足からしか
一歩目を出せなくなります。

 

 

男性のセラピストのみなさんは、
一度ヒールの高い靴で歩いて
みてください。

 

 

もしくは病院の備品の装具でも
構いません。

 

 

片足だけヒールが高い状態であることが、
どんな感じがするのか?

 

 

歩いた後に自分の足が
どんな疲労感を感じるのか?

 

 

理屈も大事ですが、自分の身体で
感じて納得するのも大事。

 

 

ぜひお試しを(^^)

 

 

今日はここまで。

 

 
最後まで読んでいただき
ありがとうございます。

IAIR北海道地区 認定シニアインストラクター
理学療法士 中嶋 光秀

—————————————-
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